正絹

多種多様な絹織物。糸の取り方、撚糸、精練、染色など、
その歴史の長さとともにさまざまな方法があります。

絹の織物にはたくさんの種類があります。 特に法衣に使用される、紗、絽、羽二重は主に新潟県で生産されています。 単純な組織ほど、加工後の不均一性が目立ちますので、精練・染色には他とは比較にならない均一性を求められるものです。 生地の組織と糸、共に最も単純な羽二重は、新潟県でないと精練すらできないと言われているデリケートな商品です。 糸の取り方も野蚕と養蚕が存在し、絹の持つ特性を最大限に引き出す糸のとり方は生引座繰りです。 これは近年採用されてきた合理的な方法とは糸の取り方が異なり、従来採用されていた繭の中の蚕を熱で殺さず生きた糸を取り出します。さらに繭を取った場所でそのまま糸を取っていきます。人間の手の力の調節で、糸の太さを調整しながら製糸していく糸を傷めない一番丁寧な方法です。現在ではその手法は失われつつあります。

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